5月13日に楽天モバイルの新プラン『Rakuten Unlimit7』が発表されました。今回の変更点で特に注目されているのが、これまで月に1GBまでなら無料とされてきたのが撤廃されたことです。
これによって楽天モバイルを辞める人も出てくるかもしれませんが、「今回の変更って本当に改悪なの?」「楽天モバイルに契約しているけど、MNPしたほうがいい?」というポイントは気になるところです。
個人的な結論になりますが「無料ユーザーには改悪だけど、楽天経済圏としてはメリットあり」ぐらいな印象です。どうしてそう思えるのか詳しく今回の変更についてみていきましょう。
■rakuten_UNLIMIT7の変更点
これまでは1GBまでの利用料金は0円とされていましたが廃止され、7月からは3GBまでの1,078円(税込)が下限の利用料金になります。
今回の変更に改悪だと話題になっていますが、個人的には言うほどの改悪だとは思っていません。なぜなら今回の変更で影響を受けてしまうのは毎月のパケット利用を1GBまでに抑えていた超ライトユーザーだけだからです。
日常的に利用しているとよほど工夫しないと1GBで満足することは難しいため、7月以降も格安スマホ回線の選択肢としては候補に上がり続けるのではないかと思います。
その代わりに「ダイヤモンド会員」以上は楽天市場でのSPU1倍(上限1,000円)が追加。そのほかの楽天サービスでポイント還元が受けられるなど優遇政策も予定されています。たとえば楽天ブックスなら31日間無料&無料期間終了後も30%還元されるようです。
利用料金の下限が無料じゃなくなったのは残念ですが、楽天経済圏で生活しているような人にとっては悲観するべき内容ではありません。
■無料が当たり前は間違い
これまでに楽天モバイルが抱えてきた赤字を減らすために、経営上やむをえない判断だと感じます。ユーザーとして無料で使えたのはありがたいのですが、グループ全体としてはモバイル分野が重石になっていました。
エリア拡張のための設備投資などもあり無料ユーザーのせいだけではないのですが、楽天モバイルの2021年12月通期(第4期)の決算は売上高こそ約1568億円ありますが、最終的に約3262億円の赤字になっています。
楽天のポイント制度の変更などで改悪が叫ばれることも多いですが、モバイル分野の赤字を補填する意味合いも強いのではないかと感じます。
正直なところ無料でサービスが受けられるという考えが間違っていると言うこともできます。ユーザーが無料で利用していると言うことは“誰か”が代わりにお金を払ってくれていたということです。“誰か”の正体については言うまでもなく事業者である楽天モバイルです。
その結果どうなったのかは前述した通りなので、今回の変更も持続的な事業をおこなうためには必要な施策だったのだろうと思います。
■結局どうしたらいいの?
最後に今回の変更を受けて「ユーザーがどうしたら良いのか」ですが、楽天経済圏を日常的に利用している人は静観。どうしても「サブ回線をできるだけ安く使いたい」といった人はMNPして問題ないと考えています。
代用策を探したい人にはauのpovo2.0がおすすめです。何らかのデータ課金を3ヶ月に1度トッピングすれば回線は維持できるので最低料金は(24時間使い放題330円が最安のため)毎月約110円ほどになります。
無料で使おうとすると通信速度128kbpsと厳しく、使いみちは最低限の利用に限られてしまいますが普段はWi-Fiで使うためのサブ回線としてなら充分です。
■結論「人によっては改悪」と感じることもある程度
今回の楽天モバイル新プランへの変更で最も打撃を受ける人は「0円で回線を維持したい人」です。「MNPの弾にしたい」「SPUのため契約」など人によってさまざまな無料で利用したい理由が考えられますが、今回の変更は普通に楽天回線を使っていた人には改善だと言えるぐらいです。
そもそも今まで無料で使えていたのが虫がよすぎるぐらいで、変更後のプランが普通ぐらいにも思えます。独自回線(場所によっては間借りも)のため、回線速度は安定しており料金プランはMNP他社と比べても遜色ないぐらいなので格安SIMを探すのであれば相変わらず選択肢に入り続けるのは間違いありません。
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