2024年4月からトラックドライバーの時間外労働時間が制限されることになり「物流の2024年問題」が起きるとされています。このことから配送業者も社員ドライバーの働ける時間が短くなり、なおのこと個人事業者による宅配の需要が高まりが予想されます。
そうなってくるとAmazon Flex(アマフレ)のような委託宅配に、UberEatsや出前館といったフードデリバリー(フーデリ)を中心とした軽貨物ギグワークへの参入者も増えるかもしれません。しかし、どうしても未経験からの参入となると、右も左も分からず最初は厳しさを感じることが多いです。
そのため初心者向けの練習方法を教えるサイトを調べてみると「アマフレを練習するには出前館やUberEatsでフードデリバリーに挑戦すると良い」と伝える情報も見受けられます。果たして、これは本当なのでしょうか?
結論から言ってしまうと基本的には別物なのでフーデリに取り組んでもアマフレの練習にはなりません。しかし、アマフレとフードデリバリーには共通する点もあり、まったくの無駄というわけでもないのです。
初心者のアマフレは厳しい
ぶっちゃけ、完全な初心者からアマフレに取り組むと、ステーション(配送センター)にもよりますが、かなり厳しい展開が予想されます。
一応、最初のうちはナーサリー期間として初心者向けの練習期間が設けられているのですが、それでも完全に未経験からの参入となると厳しい印象です。もちろんステーションとしても荷物がお客様に届かない事態(未配)は避けたいので、よほど忙しくない限りレスキュー(ヘルプ要員)を送ってもらえます。
ナーサリー期間はレスキューに手伝ってもらっても特に大きな問題はないのですが、自分の力不足を痛感して正直にいえば凹みます。
「フーデリで練習したほうが良い」は嘘?
そんなアマフレの難しさに打ちひしがれてしまった人が「初心者が早く配達する方法」を検索で調べると、中には「初心者はフードデリバリーで練習するのがおすすめ」と書かれたサイトが出てきます。
しかし、この情報を鵜呑みにしてしまうのは危険だと感じています。その理由としてあげられるのが以下のふたつです。
- 発信者のポジショントークが含まれているから
- 正直、アマフレとフーデリは別物だから
続いて、そうなる理由を詳しく見ていきましょう。
発信者のポジショントークが含まれているから
そもそも、なんで発信者が「フーデリをおすすめするのか」が問題です。単純に本心からおすすめしているのもあるかと思いますが、じつは半分以上は読者にフーデリに登録してもらって紹介料を得るためです。
少しでも多くの人に登録してもらわないと自分の利益にならないので、発信者は耳障りの良い言葉を並べます。結果的に魅力的に思えてしまうため、鵜呑みにすると騙されてしまうという構図です。
この問題に限らずポジショントークはどこでも見かけるので、行動するより先に発信者が「なぜ、そんなことを言うのか」の理由を深く考えることをおすすめします。
正直、アマフレとフーデリは別物だから
はっきりいえばアマフレとフーデリは同じ配達というジャンルですが別物です。フードデリバリーだと2か所配達(ダブル)や3か所配達(トリプル)がせいぜいですが、アマフレだと荷室に押し込められた多くの荷物から次の場所に配達する品物を探さないといけません。
細かいものだとバックに入っていますが、それでも整理整頓していない最初はごちゃごちゃしています。またフーデリだと食品も多いので宅配ボックスに入れられませんが、アマフレだと宅配ボックスを置き場として指定されることもあります。
結局のところ荷物の積みかたや探しかたをはじめとして、荷物の宅配の練習にフーデリを使おうという考えはナンセンスだとしかいいようがありません。
フーデリがアマフレの役に立つのはこんな人
フーデリとアマフレは別物ですが、それでもアマフレの練習をするためフードデリバリーに取り組んだほうが良い人もいます。それはこれまでに宅配経験のない完全な初心者で、アマフレを初めても右も左も分からないような人です。
未経験から初めて軽貨物の以下のようなことに手間取ってしまうと考えます。
- 配達先へ向かう前の駐車場所
- 地図の読みかた
- ナビのピン(位置)ズレ
- 表札のない家
具体的には「車をどこに止めたらいいの?」とか「配達場所に来たけど家どこ?」とか「ナビの案内通りに来たけど道通れないじゃん」もしくは「ナビがグルグル回って自分がどこに向かっているのか分からない」みたいな問題です。
ぶっちゃけ初心者の悩みは単純に配達慣れに対する部分が大きく占めています。本質という意味ではフーデリは別物ですが、ただ配達になれるだけであればアマフレのオファーが取れてない日にフーデリを稼動して配達そのものになるという行為は無駄ではないと思っています。
Uberと出前館どっちがいいの?
フードデリバリーサービスで知名度が高いのは、やはり出前館とUberEatsの2社です。都会ならば少しは違うのかもしれませんが、小田舎ぐらいになると需要があるのはUberと出前館のツートップでしょう。
じゃあ、Uberと出前館のどっちが良いのかと聞かれると、やっぱり稼動中はどちらもオンラインにして、先に単価の高い依頼がきたほうを受けていくのがおすすめです。
傾向として出前館のほうが現在地から配達先まで料金を計算しているようなので、配達料金が高め。Uberは依頼は多いけど配達元から配達先までしか計算していないので、場合によって選んでいかないと割に合わない印象です。どちらかといえば依頼はUberのほうが多めです。あくまでも個人的な印象が強いので、人によっては異論があるかもしれません。
アマフレは基本的に時間で単価が決まっているため、安定はしますが責任感は強め。対してフーデリは責任感はアマフレより弱めですが、依頼がないと報酬が不安定になってしまう心配もあり、一概にどちらがベストとは言い切れません。やはり自分が一番良いワークライフバランスを探していくのが賢明でしょうか。
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