“オワコン”それとも“稼げる”? せどりの現在地について考える

こんにちは、2級ファイナンシャルプランナー(AFP)の橋本健一です。会社に頼らない自由な生き方を目指してリベ大やSNSなどでは「かなめ」という名前でお金に関する6つの力を高めるために学んでいます。

今回のお題は「“オワコン”それとも“稼げる”? せどりの現在地について考える」というテーマで転売行為いわゆるせどりについて考えていきます。

結論から言ってしまうと「まだまだ稼げるけど、将来性については厳しくなっていく」というのが現状だと思っています。メーカーと消費者の間に問屋・卸という存在が挟まる以上、物販についてなくなることはありえないのですが副業として“せどり”に取り組んでいこうとすると厳しさが増していきます。

目次

■せどりは悪なのか

▼せどりと転売の違い

まず確認しておかないといけないのは「せどりと転売の違い」や「せどりって合法なの?」という問題です。前者については個人的には基本的に一緒だと捉えています。

せどらーの中には「(悪質な)テンバイヤーと一緒にして欲しくない」「自分達はルールの中でやっている!」と訴える人もいるかもしれませんが、誰でも商品を買えるショップ(小売)から仕入れてAmazonなどで横流しをするという行為自体に変わりはありません。

たとえ買い占めはしていなくても、少なからず流通に影響を与えてしまうため欲しい人が自由に買えなくなってしまうという点についてはせどらーもテンバイヤーも同じです。

もちろん仕入れた商品が思ったように売れなかったり、暴落してしまったりというリスクも背負ってのことですので、単純に転売行為だけ悪というわけではありません。この点に関しては品薄になってしまった現行品を「定価より割高なプレ値でもいいからどうしても買いたい」と購入する側にも少なからず問題があります。

商品の価値は需要と供給の関係で成り立っています。売る方も商品が売れないような値段では売りませんし、在庫過多になってしまうとキャッシュフローが悪化して黒字倒産なんてことにもなりかねません。

それを避けるために多くのせどらーは値段を下げてでも商品を売ろうとしますし、おのずと価格競争にも巻き込まれてしまいます。

「転売屋撲滅」なんてことを考えているのであれば、値段を釣り上げているような業者からは買わないのが1番です。

▼“せどり”は合法行為

そんな感じで嫌われがちな転売(せどり)ですが、たとえ定価以上の値段で商品を販売していても基本的には合法です。チケットを転売しようとするダフ屋行為や「酒類販売免許」「古物商許可証」「医薬品」など法律で規制されている以外の商品であれば買い占め行為やECサイトでの横流し販売でも問題ありません。

最後は販売する側のマナーやモラルに任されているということでしょう。

■副業せどりがオワコンな理由

▼参入障壁が低い

オワコンとは少し違いますが、YouTubeなどで情報発信が広がっていくことにより“せどり”が副業のひとつとして認知。特別なスキルがいらなかったり、再現性の高さなどのメリットからライバルは増加傾向にあります。

仲間が増えるという意味では喜ばしいことですが、利益商品の奪い合いや供給が増えることにより価格競争などが起こりやすくなります。オワコンな理由ではありませんが、せどり系YouTuberのポジショントークよりは副業としては稼ぎにくくなってきています。

また声優やアイドルのコンサートなどでオタ芸が問題視されるように参加人数が多くなれば多くなるほど周りの迷惑を考えない人も増えてきます。

▼規制が厳しくなっている

簡単に言ってしまうと「転売の餌食にならないように小売店側も対策を強化し続けている」と言った感じです。特に家電量販店が顕著でノ○マやJ○shinあたりは「転売撲滅宣言」をモットーに掲げるなど転売行為への対応が厳しいことで知られています。

対策を打ち出しているのは転売で買うほうのプラットフォームだけでなく売るほうでも同じです。Amazonも例えば偽物を本物だと偽って販売するような詐欺の片棒を喝がされたくはありません。

商品によっては売る前に「私は正規のルートで商品を購入していますよ」と卸売や問屋といった業者、またはメーカーから直接商品を仕入れていることを証明する書類(領収書など)を提出するように求められる場合があります。

それが“出品制限”と言われるシステムなのですが、Amazonで出品制限のかかったブランドは年々増え続けています。転売が今ほど問題視されていなかったころと現在では始めた当初から出品できるジャンルに大きな開きがあります。

悪質な転売とマナーを守った“せどり”の違いは外から見ても分かりませんので、しかたがないことだとも思えるのですが今後も風当たりが強くなっていくことが予想されます。

本当にオワコンになってしまわないように、ひとりひとりが店舗の迷惑を考えつつマナーを守ってリサーチすることが必要でしょう。

▼ポイント制度は改悪続き

せどりには直接、店舗に赴いて商品を仕入れる「店舗せどり」や楽天やYahoo!などでもらえる楽天ポイントやPayPayポイントも利益として計算する「電脳(ポイント)せどり」といった多くの手法があります。

先ほど挙げたような風当たりの問題は店舗せどりで強く感じる部分なのですが、現状が厳しいのは電脳せどりでも同じです。楽天市場やヤフーショッピングでポイントを大盤振る舞いできるのは母体となっている楽天やZホールディングスにお金を配れるだけの余裕があるからです。

特に楽天ではモバイル事業の初期投資が経営の足を引っ張っているのもあってか、ここのところポイント制度は改悪が続いています。この方向性は今後も続く可能性が高く、電脳でポイントを収益の一部として見込むには厳しくなっていくでしょう。

■【まとめ】せどりはオワコンなのか

そもそものテーマもあってネガティブな内容になってしまいましたが、副業としての“せどり”や“転売”はともかくとして物販や流通に関する仕事が消えてしまうことはありません。

「オワコンではないが、今後も新規での参入は難しくなり続ける」と思っています。もっとも転売(せどり)という副業についてだけでなく、物販としては学ぶメリットも大きいのも確かです。

個人的にせどりを始める前は「転売滅ぶべし」「転売は悪」のように考えていました。今でもジブリのドリームトミカなどの現行の商品をAmazonやメルカリといったサイトで定価の2〜3倍の価値をつけて販売する悪質な業者には「なんだかなぁ」「ああはなりたくないな」といった印象です。

その反面で常識的な範囲で創意工夫を続けながら成果を上げている人が多いのも知っています。一方的な視点から見るのではなく、双方の視点から物事を見て善悪を判断できるようになったのは、せどりを始めた何よりの成果ではないかと思っています。

あらためて転売(せどり)はオワコンかと聞かれると、今後さらに新規参入者を含めたせどらーは「稼ぎにくく」「風当たりが強く」なっていくのは間違いないんじゃないかと感じます。

しかし一部の法律で販売を規制された商品を除き、自分で小売店などで購入した商品をECサイトやオークションサイトで再販する行為自体は合法です。また物が欲しい人と売りたい人の双方が存在する以上、物販が消滅してしまうこともありえません。

他人に自分のしていることについて聞かれた時に、誰もが胸を張って「正しい」と言えるようなバランスで取り組んでいけるのならば転売(せどり)はオワコンにはならないんじゃないかというのが個人的な結論です。

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