12月からポイント“改悪”されると話題の楽天 オワコンって言われるけど本当?

 楽天市場が11月1日に楽天スーパーポイントアップサービス(SPU)の翌月から適用される大幅なポイント改定について発表し、ヘビーユーザーに不利になることからSNSでは「改悪」だと声があがっていました。

 しかし、中には“モバイル優遇”と思われる上方修正なども含まれており、誰しも損になるとは言い切れないように見えます。

 はたして今回の変更で“損になるのはどんな人”で“得をするのはどんな人”なのでしょうか。

目次

■12月からのSPU変更は“改悪”!?

▼そもそもSPUとは?

 SPUは楽天スーパーポイントアップサービスの略で楽天の各サービスに参加すると、楽天市場でのお買い物をしたときに貰えるポイントが増える仕組みです。

 例えば楽天ブックスで1,000円以上の買い物をすると、11月末までなら楽天市場でのポイントが0.5倍アップ楽天では%のことを倍と表記)するなどの恩恵が得られます。

 貰えたポイントを楽天サービスの利用料にして、もっと多くのポイントを貰うような活動から「楽天経済圏」といった呼ばれ方もします。

▼ポイント上限が大幅に変更

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 しかし今回の変更では楽天から貰えるポイントの倍率や上限が大幅に下げられてしまっている項目が目立ちます。

 特に通常の楽天カードのポイント付与に加えて「楽天プレミアムカード」「楽天ビジネスカード」「楽天ブラックカード」といった上位のクレジットカードで上乗せされていたポイント2倍が廃止されたこと。

 通常利用に加えて付与される楽天ポイントがクレジットカード利用の特典分なら5,000ポイントから1,000ポイント上限になるなど、軒並みポイント上限が減らされてしまっていることなど、ユーザーにとっての旨みは少なくなったかのように感じます。

▼中には改善されたポイントも…

 今回のポイント付与ルール改定にはユーザーにとって不利になる変更が目立ちますが、楽天モバイルの最強プランを利用しているダイヤモンドユーザーは3倍から4倍にアップ、同じくダイヤモンド以外なら2倍か4倍に大幅アップするなど、大幅な改善が見られました。

 ダイヤモンドは7,000ポイント、ダイヤモンド以外なら6,000ポイントの上限から、一律2,000ポイントに上限が減らされてしまっているといったマイナスはあるものの、やはり苦境に立たされている楽天モバイル事業を強化していきたいという思惑は見えます。

 直近の2023年1~6月期決算でモバイル事業は1850億円の営業赤字となっています。前年同期の2538億円の赤字から改善は見せているものの、相変わらず楽天の事業全体の足を引っ張ってしまっているように見えます。

 そんなモバイル事業の黒字化が楽天の目標ならば、今後もモバイル優遇の流れは続いていくのではないでしょうか。

▼今回の変更で“得する人”と“損する人”とは?

 ここまで今回の改定について見てきましたが、ポイント付与ルールが変わって得をする、または損をする人のはどんな人なのでしょうか。

・ヘビーユーザーほど損をする

 今回、損をしてしまうのは特に楽天で“せどり”商品を仕入れているようなヘビーユーザーです。楽天ポイントカードの特典分だと今までは上限5,000円だったので消費税を加えて55万円までポイントの恩恵があったのですが、12月からは11万円で上限に到達してしまいます。

 1アカウントあたりにおける仕入れの上限金額が減ってしまうため、複数アカウントの確保でもしないかぎりは楽天だけで稼ぐのは難しくなってきます。

 ポイントせどり目的のユーザーはヤフーショッピングやauPayマーケットなど他の販路からの仕入れも検討するしかないのかもしれません。

・ライトユーザーなら得をする人も?

 逆に得するのは月に数万円ぐらいしか使わないライトユーザーです。特に楽天モバイルの最強プランを契約しているような人はポイント付与ルール改定の恩恵を受けることになります。

 2022年春ごろで最大14倍にまで落ち込んだSPUですが、今回の改定で11月末までの最大15.5倍から1倍上がって最大16.5倍にアップしています。

 特に楽天モバイルユーザーのダイヤモンド会員以外で毎月キャリア決済で2,000円以上支払う、ついでに楽天ひかりを契約しているなんて人は3.5倍から8倍にまで増えるので大きなメリットを得ています。

■楽天は“オワコン”になる?

 果たして今回の変更で楽天がオワコン(衰退したコンテンツ)になったかと言われると、多くの人にとっては気にすることなく変わらず利用して問題はなく思えます。

 上限が減ったとしても普通の人は楽天だけで毎月10万円以上使うようなことはないと思うので、「だから何だ?」といったでしょう。

 それでもポイント付与条件を改定して騒がれてしまうのは、おおむねポイントせどりなどで楽天を利用している人の声が大きいか、よほど「オワコン」「改悪」といった単語がショッキングでセンセーショナルに感じるかの二択でしょう。

 そもそも家計管理では必要十分であれば、100点を出す必要はありません。周りの情報に流されたり、気にしすぎたりして経済圏を渡り歩いてしまうと精神的にはストレスに感じることのほうが多いのではないでしょうか?

 例えポイント制度が改悪されたとしても「周りが騒いでいるから…」と慌てるのではなく、自分にとってどう影響があるのかを考えていく必要性を感じます。

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