フリーランス「扶養」の範囲で稼ぐならはいくらまで? 「配偶者控除」と「扶養制度」を解説

現在はパートで配偶者の扶養に入り範囲内で働いているけど、働きかたの多様化や子育ての事情などでフリーランスになって自宅で働きたいと思う人もいるんじゃないでしょうか。

この記事ではフリーランスで働きたいけど、現在の扶養は外れたくないという場合にどこまで稼げば良いのかを噛み砕いて説明します。

目次

■2種類の扶養がある

ひとくちに扶養制度と言われますが、「税制上の扶養」「社会保険上の扶養」の2種類に分かれます。

簡単に言うと「税制上の扶養」は扶養している人(被扶養者)の所得税を計算するうえで、配偶者控除(または配偶者特別控除)で引かれる金額に関わってくる扶養制度。

「社会保険上の扶養」は厚生年金や健康保険の3号被保険者として扶養に入るための条件です。

■税制上の扶養は3つの壁に注意

「税制上の扶養」である配偶者控除、または配偶者特別控除を受けるためには所得の3つの壁に注意しなくてはいけません。

所得の3つの壁とは「103万円の壁」「150万の壁」「201万円の壁」と呼ばれる分岐点です。

基礎控除48万円+給与控除55万円=合計控除額103万円になるので、所得はゼロになり所得税や復興特別所得税を取られてしまうことはありません。

そのままパートの年収が103万円を超えると配偶者控除を受けれなくなりますが、代わりに配偶者特別控除を受けることができるようになります。

年収103万円を超えた分の所得税は取られてしまいますが、配偶者特別控除に切り替わっても150万円までなら控除額は38万円で変わらないのでデメリットはほとんどありません。

しかし配偶者特別控除は150万円を境に徐々に税率が減っていき、201万円でゼロになり完全に税制上の優遇措置が受けられなくなってしまいます。これがいわゆる所得の3つの壁です。

■フリーランスだとどうなるの?

例えば夫が会社員で妻がフリーランス、夫の扶養に入って配偶者控除を受けている場合を考えてみましょう。

この場合、給与所得控除はありませんので、そのまま基礎控除の48万円が年収のボーダーラインになります。

ただし開業届と同時に青色申告承認申請書を提出して青色申告の電子申請をしているのならば、最大で65万円の所得控除が受けられます。

■社会保険の扶養にも注意

また税法上の扶養(=配偶者控除)だけでなく、社会保険上の扶養など他の制度とのバランスも大事です。社会保険上の扶養に入るためには収入130万円未満、60歳以上は収入180万円未満におさえる必要があります。

所得税の配偶者控除では非課税になる各種年金や失業保険の手当などですが、社会保険上の扶養制度では計算が必要なので注意してください。

また年間収入だけでなく、その月ごとの収入も基準額を超えてしまうと扶養から外れてしまうので気をつけてください。年間130万円未満の場合だと、108,333円が月収の目安になります。

たとえ働いていなかったからといって、月に130,000円の収入があった場合は扶養を受けることはできません。

■扶養制度を受けるための目安はいくら?

まとめると扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」があり、それぞれの目安は税法上の配偶者控除は「103万円」で社会保険上の扶養は「130万円」です。

それぞれ対象者の基準や収入の計算方法が違う別の制度なので、社会保険は不要の範囲内だけど配偶者控除を受けられない。もしくは逆にあてはまる場合もありえます。

配偶者の扶養に加入して、その範囲内でフリーランスとして働くのであれば、それぞれの目安に注意を払う必要があるでしょう。

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